メッセージ「夕暮れに現れた天国」シリーズ
マタイによる福音書20章1~16節
3月5日( 日) 10:30~11:45 第一回
3月12日(日) 10:30~11:45 第二回
3月19日(日) 10:30~11:45 第三回
3月26日(日) 10:30~11:45 最終回
聖書のたとえ話でもよく知られる「ぶどう園の労働者のたとえ」
を4回シリーズで取り上げます。よく天の国を
「ぶどう園そのもの」として「すべての人が等しく扱われる社会」、
またはそれを「ぶどう園の主人」として「すべての人を見出して
くれる神の思い」と解釈されて来た箇所ですが、
今回は「ストーリーそのもの」として捉えたいと思います。
鍵の握るのは「時間」です。夜明けから刻まれる時の中で、
それぞれがどこで何をしていたのか、
また夕暮れに一同が会した時に何が起こったのか。そこに
「私たちがこの世界で一緒に生きるために何を期待されているのか」
が鮮やかに語り紡がれていくことを、
不安と希望を持ちながら解釈していきます。
特に読み解いていく上で参考になったのは、E.レヴィナス
「時間と他者」、P.リクール「他者のような自己自身」でした。
過去の聖書解釈学における「ユダヤ人対キリスト者」という固定概念
から離れて、私たちが生きる現実の中で避けては通れない
「誰かと比べてしまう思い」の本質に挑んでいきたいと思います。
アイデンティティという概念が問い直されるこの世界の片隅で。
(牧師:藤岡荘一)