葺合バプテスト教会の誕生①

5月15日のペンテコステ礼拝に備えて、三回にわたり西岡本キリスト教会の前身である葺合バプテスト教会について記します。

教会設立は1919年11月25日となっていますが、それよりずっと以前の1895年2月3日、この地にアメリカン・バプテスト宣教師同盟(ABMU)から派遣されたタムソン宣教師夫妻による神戸善隣幼稚園(小野柄通七丁目)が開設されました。そこから生まれた小野浜伝道所の最も古い記録は1897年、夫であるR・A・タムソン先生の以下の報告です。

「年の初めに我々はタムソン夫人が幼稚園を開いている所に伝道所を開いた。近隣からかなりの数の人が週二回の集会に来ている。ここでの活動の直接的な成果として四名がバプテスマを受けた。幼稚園は近隣に驚く程の良い影響を及ぼしている。」

さらに1910年、後の初代葺合教会牧師・中島辰蔵先生の活動について「神戸のひどいスラム街の一つ、小野浜において中島氏が忠実に活動し、平日は隔夜でメッセージし、また盛んな日曜学校を継続した。彼は活動を助ける小さな群れを身近に集めた。集会の始まる前に一人は扉の前で太鼓を叩き、他の一人はシンバルを鳴らし、他の人たちは賛美歌を歌いながら通行人を呼び入れた」と報告し、いよいよ教会設立が間近いことをうかがわせます。しかし、こうして始められた歩みには次々と困難が待ち受けていました。

(牧師 藤岡荘一)

②に続く

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写真:ロバート・A・タムソン宣教師、ガゼル・R・タムソン夫人 (Japan Baptist Annual 1933)
Courtesy of the Yale Divinity Library

<参考文献>
灯火をかかげて -アメリカン・バプテストの宣教師たち-」 大島 良雄著

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